やった!妊娠だ!と思ったのも束の間、妊娠初期は、自分の身に起こるありとあらゆる症状が心配の原因になりますよね。
中でも妊娠初期の出血や腹痛は、最も不安で心配な症状なのではないでしょうか?思わずこうしてネットを検索しまくり、「大変だ!どうしたら良いの?」と顔面蒼白(がんめんそうはく)になって情報を収集してしまいますよね。
出血や腹痛は切迫流産のサインの場合もありますが、実はそこまでシリアスな状況ではないことの方が多いのです。今回は妊婦ママが心配な妊娠初期の出血や腹痛について、その原因や対処法を色々とご紹介したいと思います!
もくじ
妊娠初期の出血と腹痛って大丈夫?



妊娠初期の出血の原因とは?
自分にその症状が現れると驚いてしまいますが、妊娠初期には出血したり腹痛に悩まされることがあります!!こんな症状があるとお腹の赤ちゃんは大丈夫なの?まさか流産?と心配になってしまいますよね。
一体どのようなことが原因で出血するのでしょう?その理由をきちんと把握しておくと、出血があっても驚くことなく適切な対処が可能になります。
実は妊娠初期の出血には、妊娠に関連した出血と妊娠には関連のない出血があり、これらを区別することはとても困難です。
では早速、出血の主な原因についてご紹介していきましょう。
【妊娠に関連した出血】
- 受精卵着床時、胎嚢(たいのう)や胎盤の形成が始まり体内侵食が起きるために出血
【妊娠に関連しない出血】
- 膣のただれ(子宮腟部ビラン)が原因で、診察や性行為の刺激により出血
- 子宮内膜の出血が絨毛膜(じゅうもうまく)の外側にたまる場合
- 子宮頸管(しきゅうけいかん)にできた良性の腫瘍(しゅよう)
- 子宮頸管のポリープからの出血
直接妊娠に関わる出血の原因は、受精卵の着床により赤ちゃんが育つ袋である「胎嚢」や、栄養を届ける「胎盤」が形成される時のものなんですね。こうした少量の出血を経験する妊婦ママは約30%もいるのです。
体の中でものすごい勢いで細胞分裂が起こり、いまだかつてない大変革が起きている訳ですから、多少の出血は十分想定内の症状なんですね。でもやはり、妊娠が分かった上での出血は心臓が止まりそうなほど驚きます!!
引用 インスタグラム
妊娠の決め手は胎嚢確認!。超音波検査でこれが見えると「やった!」とガッツポーズですね♪
出血があると「切迫流産」なの?!
出血や腹痛の症状があって慌てて医師の診察を受けた場合、あなたが妊娠22週未満の妊婦ママだとすると、症状の程度はどうであれ全て「切迫流産」と診断されてしまいます!えええっ、そうだったの?と驚いてしまうのは私だけでしょうか!
ところが少量の出血があって「切迫流産」と診断された場合でも、子宮と膣をつなぐ扉の役目となる「子宮頸管(しきゅうけいかん)」がガッチリ閉じていれば、問題なく正常妊娠へ回復できるのです。
子宮頸管てどの部分?と思ってしまいますが、ゴム風船を子宮に例えた場合、ちょうど風船の結び目あたりと思うとイメージしやすいです♪
なのでもし「切迫流産」という診断を受けても、実際にはそんなに深刻なケースは少ないということを覚えておいて下さいね。

ちなみにこの「子宮頸管」は、出産まで絶対に開くことはないのが正常です。肛門や尿道に近い膣周囲は、実はバイ菌が多い部位。こうしたバイ菌が赤ちゃんのいる子宮内に侵入するのを予防するため、子宮頸管があるのです。
子宮頸管は適切な長さである4cm程度を維持していれば大丈夫。この長さが2.5cmを切ってしまうと「安静にして下さい」と医師からアドバイスされます。
引用 インスタグラム
やはり、子宮頸管が短くなると問答無用で「はい、入院ね。」となるんですね。リアルな体験談です。
出血の度合いはどう判断するの?
妊娠初期の出血には様々な度合いがあります。ティッシュやトイレットペーパーに茶色やピンク色のおりもの状のものがつくレベル、下着が赤く染まるレベル、血の塊(かたまり)が排泄されるレベルなど人によって程度は様々です。
「出血量が多いと流産になる」と断言は出来ませんが、血の塊状の出血が繰り返されるような場合には、流産に進行している可能性があります。何だか怖い気持ちが先行しますが、落ち着いて、出来るだけ早く医師に診察してもらいましょう。
先ほどもお話しした通り、妊娠22週未満の場合は診察時に多少なりとも出血があると「切迫流産」と診断されます。妊婦ママとしてはビビってしまいますが、赤ちゃんが正常に発育していれば、妊娠初期に流産することはほとんどありませんので安心してください!
入院するほどの症状はなく、自然の経過を観察するような場合は、自宅で安静にするよう医師からの指示があります。安静と言われてもイマイチその程度が分からない!と言う妊婦ママのために目安をまとめてみましたよ♪
- 臥床(がしょう):1日中寝ている必要はありません
- 家事:いつも通り行って大丈夫
- 入浴:いつも通り行って大丈夫
- 仕事:デスクワーク・軽作業はOK 、ただし休憩はこまめに
- 運動:やめておきましょう
- 性交:やめておきましょう
- 旅行:おすすめしません
「家にいるとどうしてもチョコチョコ働いてしまいそう」と言う声が聞こえてくるようです(笑)。家事は最低限のレベルで済ませ、まずは体をゆっくり休める!今の仕事は休むこと、と割り切って過ごすと良いですよ♪
「切迫流産だから入院」となったらどうする?
とはいえ、外敵から赤ちゃんを守る防護壁である子宮頸管が2.5cmの長さを切ってしまうと、入院して処置をすることになります!この病態は「頸管無力症(けいかんむりょくしょう)」と言われるものです。
この症状が出てしまった場合には、次のいずれかの方法で流産を防ぐ処置を行います。
- ひたすら横になり、子宮頸管への負担を極力減らす!
- 子宮頸管を糸でギューっと縛りあげ、赤ちゃんが出てこないようにする!
多くの場合、入院してベッドに横になり安静にすることが切迫流産を回避する最善の策となります。
子宮頸管は赤ちゃんと羊水を守るためのものなので、妊婦ママがいつも通り立って歩いて動き回ると、それだけ子宮頸管に大きな負担がかかり、ややもすると赤ちゃんが出て来てしまい兼ねません!子宮頸管への負担を減らすには、横になっているしかない・・・ということなんですね。
引用 インスタグラム

妊娠初期は色々な症状が不安で心配の元となります。そんな初期症状のあるある体験をご紹介した記事、妊娠初期症状はいつからあるの!?体験談をまとめてみました!!も是非読んでみてください。
ちょっと深刻な出血とは?
妊娠初期に見られる「胎嚢」や「胎盤」形成時の自然な出血とは異なり、注意すべき出血もあります!次のような異常妊娠の可能性もあるので、やはり出血があった時は自分だけの判断にしないで医師の診察を受けましょう。
- 胞状奇胎(ほうじょうきたい)
- 子宮外妊娠
- 絨毛膜下血腫(じゅうもうまくかけっしゅ)
もう少し詳しく、それぞれの妊娠についてご紹介していきたいと思います。
胞状奇胎について
胞状奇胎とは、妊娠に伴って発生する胎盤の一部である「絨毛細胞」に、異常が発生して増殖したり、間質(かんしつ)の浮腫(ふしゅ)によって絨毛が水腫状(すいしゅじょう)に大きくなることです。
つまり赤ちゃんとなる組織細胞がブドウの房のようになって増殖したり、細胞と細胞の間の体液(間質液)が異常に増加してしまう妊娠です。その結果、妊婦ママには不正な出血やつわりのような症状が現れます。正直、辛くて悲しい妊娠です。
現在の日本においては約500妊娠に1回程度の割合で発生しています。ちなみに平成29年は年間の出生数が94万人だったので、500人に一人は決して少ない数字ではありません。原因は不明ですが、それだけ自然な現象でもあるということですね。
ただこうした症状は、実は妊娠初期の正常な症状と区別がつけにくいのです。妊娠5〜6週間目の定期超音波検診で、妊娠性のホルモンであるhCG値が上昇しているにも関わらず、赤ちゃんの袋である胎嚢が見えない異常などから発見されることがほとんどです。
残念ながら胞状奇胎の場合、妊娠を継続することは難しいので、子宮内容除去手術を行い奇胎を取り除く必要があります。悲しい現実ですが、妊婦ママの身体的原因ではなく、あくまでも自然の摂理として誰にでも起こり得る事象です。
子宮外妊娠とは?
子宮外妊娠は、受精卵が卵管内など子宮以外の場所に着床し、成育した状態を言います。全妊娠の0.5〜1%程度の発生率と非常に稀な異常妊娠です。
卵管とは受精卵が卵巣から子宮に向かう際に通る通路です。この場所で妊娠が継続して赤ちゃんとなる胚が卵管より大きくなると、卵管が破裂してしまい大量の内出血を起こします。妊婦ママの命に関わる大ピンチとなります。
妊婦ママの体のために、子宮外妊娠の治療は出来るだけ早く行い、体内の胚を取り出す必要があります。妊娠の継続は出来ませんが、この子宮外妊娠もママの身体的な要因は何もなく、自然の摂理として起こりうることなのです。
子宮外妊娠の症状は出血だけでなく、同時に激しい腹痛を伴いますので、こうした症状がある場合は必ず医師の診断を受けましょう。
絨毛膜下血腫
これは正常妊娠による出血の血液の一部が、子宮内に貯まった状態を言います。貯まった血液の量が多いと、後に流産の原因となる可能性があり適切な治療を受けた方が良い場合があります。
引用 インスタグラム

腹痛の原因は何が考えられる?


妊娠初期の腹痛は、どこが痛いかによって原因が異なります。正常妊娠の範疇(はんちゅう)で考えられる腹痛には次のようなものがあります。
- 便秘!
- 子宮の成長痛
- 靭帯(じんたい)や筋肉のつれ
特に病気ではないので、痛みの原因さえ把握できれば何も不安に思うことはありません。痛みとうまく付き合いながら、これも赤ちゃんに会うためのプロセスと思って前向きに乗り切りましょう!
便秘も侮(あなど)れません!
便秘は特有の硬い便に苦しめられますが、無理に踏ん張ると肛門裂傷を引き起こして、切れ痔やイボ痔になったりしますよね。お腹もお尻も痛くて二重の苦しみです!!ああ、こんな時は妊娠て本当にツライ!
便秘もあまりこじらせると分娩時に脱肛(だっこう)などの原因となり、産後にひどい痔に苦しむことになるので、「たかが便秘」と侮らず、そして恥ずかしがらず、医師に相談して治療することをオススメします!
子宮の成長痛
妊娠初期、赤ちゃんの細胞が成長するスピードはものすごいです!その成長に合わせ子宮もグングン大きくなります。子宮が大きくなる際に、妊婦ママはそれを痛みとして感じることが多々あるんです。
子供の頃背が伸びる時、足首の関節やスネが痛くなったりしませんでしたか?痛いと親御さんに「さすって〜」と甘えた記憶がある人も多いのでは?さすがに子宮はさすることはできませんが、痛みの原因としては同じことなんですね♪
靭帯や筋肉のつれ
子宮は靭帯という筋肉の筋で骨盤にくっついています。妊娠により子宮が通常より大きくなり始めていると、体をひねったり、立ち上がった時に靭帯が引っ張られて痛みを感じることがあります。
子宮や卵巣に関連する痛み
一方、心配な腹痛もあります。子宮や卵巣に関連する腹痛は、妊娠を継続することが難しい状況になることもあるため、やはり継続的な痛みを感じる場合は、できるだけ早く医師の診察を受けましょう。
- 子宮外妊娠、切迫流産、子宮筋腫、子宮内膜症を合併した妊娠
- 卵巣腫瘍を合併した妊娠
- 胃腸炎、膀胱炎、尿路結石
こうした病気がある場合は、腹痛のレベルもかなりツライものとなります。そんな時は我慢しないで早めの受診を心がけてくださいね!
まとめ
- 妊娠22週未満時に起きた出血で受診すると、原因は何であれ全て「切迫流産」と診断される!
- 出血症状の原因が、子宮頸管が短くなることに起因した場合は安静に!症状次第では入院もあり得る
- 多くの場合、出血があっても重大な症状ではなく、赤ちゃんが育っていることが確認されれば心配する必要はない
- 異常妊娠に伴う出血はちょっと深刻。素早い診察と処置が必須
- 腹痛は痛い部位によって原因も異なるが、多くの場合、病気とは言えない自然的なもの
妊娠初期の出血や腹痛は、新米、ベテランかかわらず妊婦ママにとって衝撃的な症状です。それでも元気な赤ちゃんに会えることを信じて、気持ちを前向きに持つことが大切。
妊娠は一人一人全く違うプロセスを経て、全ての妊婦ママが強くて逞(たくま)しいお母さんになるための階段といえますね。何が起きてもドーンと構えて妊婦ライフを楽しんでいけると良いですね♪