妊娠中は肌が荒れたり、乾燥したりと肌トラブルを起こしてしまう方が多くいます。「湿疹(しっしん)」も妊娠中の肌トラブルのひとつで、悩んでいる方も多くいるのではないでしょうか?さらに、かゆみもあるとかなり辛いですよね!
妊娠中にできる湿疹は、産後に自然と治っていくケースがほとんどですが、きちんとケアをしないと色素沈着(しきそちんちゃく)により跡が残ってしまう可能性もあるのです。それは絶対に避けたいですよね!
この記事では、妊娠中の湿疹の原因、種類、症状の違い、そして対策について詳しくご紹介していきます☆
妊娠初期症状☆湿疹はどうしてできるの?種類と症状の違い!対策も紹介☆

妊娠中の湿疹は妊娠初期から症状が現れやすく、かゆみが伴(ともな)うケースが多いので悩んでいる方も多いでしょう。湿疹とは、「目で見て、手で触ることのできる皮膚の病気」のこと☆発疹(ほっしん)と呼ばれることも多いです。
妊娠中の湿疹にはいくつか種類があり、症状も違います★また、妊娠中の時期によっても湿疹の種類や症状が変わることもあるのです!

それではまず、「妊婦さんが最も悩まされる皮膚疾患」から詳しく見ていきましょう♪
妊娠性痒疹(にんしんせいようしん)
妊娠性痒疹とは、体中のところどころに「蕁麻疹(じんましん)のような赤く盛り上がった湿疹」ができ、強いかゆみが生(しょう)じる皮膚疾患(ひふしっかん)です。妊婦さんが最も悩まされる皮膚疾患のひとつなのです!
妊娠性痒疹の原因
発症する原因は、詳しくはまだ解明されていません。ですが、「これらが原因では?」というのが最近の研究でわかったようです!さっそく見ていきましょう★
- 物理的な刺激
- 食べ物による体内からの刺激
- アトピー性皮膚炎
今までは物理的な刺激、また食べ物による体内からの刺激により発症すると言われてきましたが、最近の研究では「アトピー性皮膚炎が関係する」と明らかになってきました★
妊娠性痒疹の症例の多くで「家族にアトピー性皮膚炎の症状がある方」、「自身がアトピー性皮膚炎である、またはなったことがある方」が、多くの確率で発症するとわかったのです!

妊娠性痒疹の症状
症状について詳しく見ていきましょう!
- 妊娠3か月~4か月に発症しやすい
- 2回目以降の妊娠時に発症することが多い
- 蕁麻疹のような赤く盛り上がった湿疹
- 手足に発症することが多い
- 強いかゆみ
- 出産後に治(なお)る
- 他人にうつらない
妊娠初期である3か月~4か月の時に発症(はっしょう)することが多く、手足にできやすいのが特徴です★それでも、お腹や背中など、体のどこの部分でも発症する可能性はあるので、手足だけとは限りません!
さらに激しいかゆみもあるので、「かゆすぎて眠れない!」と悩んでいる方も多いです。

妊娠性痒疹は2回目以降の妊娠で発症する方が多いですが、1回目の妊娠で発症する方も少なくありません。
かゆみの強い症状も特徴で、「思い出すだけでトラウマのように感じてしまう」というママもいるようです!それほどかゆく、辛い皮膚疾患なのです。
産後に症状が改善されるケースがほとんどで、出産後にびっくりするくらい早く治る方も多いのですよ★
皮膚疾患の中には、かゆくてかきむしってしまうことで他人にうつってしまう可能性のある皮膚疾患もありますが、妊娠性痒疹はうつることはありません☆
でも、かいてしまうとかゆみがさらに悪化してしまうことはあるようです。そんなかゆみの強い妊娠性痒疹!発症してしまったらどうしたらいいのでしょうか?

妊娠性痒疹の対策
次は、対策について見ていきましょう!
- 皮膚科(ひふか)にすぐに行く
- 皮膚への刺激が少ない服を着る
妊娠性痒疹はかゆみが強いのが特徴なので、薬なしで我慢することは難しいと言えます。また、妊娠性痒疹の原因はまだ詳しくは解明されていないので、予防をすることもできません。
かゆみのある湿疹はママのストレスになることもあるので、湿疹ができたらすぐに病院に行きましょう!まだ原因が詳しくわかっていないので、原因を取り除く治療ではなく、症状を抑(おさ)える治療となります☆
市販のかゆみ止めの薬は、赤ちゃんに影響を与えてしまう可能性もあるので、 必ず医師から処方された薬だけを使用してください☆
皮膚に刺激を与えることでかゆみが悪化する可能性があるので、チクチクするものを避けるなど素材に気をつけた服装をおすすめします♪

引用 インスタグラム
すごくかゆそうですよね!これでも妊娠性痒疹の中では軽度の症状に見えます。もっとひどい方は、足や腕全体的に赤い湿疹ができてしまうのです!この方は、病院でステロイドを処方してもらっているようですよ★
次にPUPPPという皮膚疾患について見ていきましょう♪
PUPPP(Pruritic Urticarial Papules and Plaques of Pregnancy)
とても長い名前の皮膚疾患ですよね!日本では一般的に「PUPPP」と呼ばれています☆名前の中に「Pregnancy(妊娠)」という単語が入っているので、妊娠時に発症する皮膚疾患であることがわかりますね★
PUPPPも妊娠性痒疹と同じで、妊婦さんが最も悩まされる皮膚疾患のひとつ!体のところどころに「赤く、形が不ぞろいで、盛り上がった斑点(はんてん)の湿疹」ができ、激しいかゆみも生じる皮膚疾患です。
PUPPPの原因
まだ原因はわかっていません。「妊娠性痒疹はアトピー性皮膚炎が関係している」ということなどがわかっていますが、PUPPPは何も原因が解明されていないのです!

PUPPPの症状
それではさっそく症状を見ていきましょう!
- 妊娠8ヶ月~10か月に発症しやすい
- 初産(ういざん)の妊婦さんに発症しやすい
- 赤く盛り上がった斑点(はんてん)の湿疹(水分を含む湿疹もあり)
- お腹、手足、お尻周辺にできることが多い
- 強いかゆみ
- 産後に治る
- 多胎(たたい)妊娠では発症する確率が上がる
妊娠後期である8ヶ月~10か月に発症することが多いですが、「妊娠6ヶ月以降であればいつ発症してもおかしくない」とも言われています。
中には、出産予定日から2週間~3週間前に急に発症する方もいれば、出産直前である数日前に発症する方もいるようですよ!

また、2人以上の赤ちゃんを同時に妊娠する多胎妊娠では、PUPPPを発症する確率が8倍から12倍に上がると言われています。
PUPPPは、赤く盛り上がった斑点(はんてん)の湿疹で、水ぶくれのような湿疹ができるのも特徴です★初めて妊娠した方に発症するケースが多く、産後すぐに治るケースがほとんどですよ♪
お腹、手足、お尻周辺に発症することが多く、なんと湿疹の数が数百個にまで広がってしまう方もいるのです!激しいかゆみもあるので、「かゆすぎて睡眠がきちんと取れない」と悩んでいる妊婦さんも多いです。


産後すぐに症状は改善され、その後「また妊娠した時にはもう発症しない」という方がほとんどだそうですよ☆
PUPPPの対策
次に、対策を見ていきましょう!
- 皮膚科にすぐ行く
- 皮膚への刺激が少ない服を着る
PUPPPも原因がわかっていないので、予防をすることは難しいと言えます。発症したらかなりかゆいので、湿疹を見つけたらすぐに病院へ行きましょう!
PUPPPも妊娠性痒疹と同様、原因を取り除くのではなく、症状を抑える治療となります☆
市販の薬は赤ちゃんへ影響を与えてしまう可能性があります。必ず医師から処方された薬だけを使用してください☆
かゆみを我慢したり、かきむしることは避けましょう。かくことで、かゆみは悪化してしまいます!服が皮膚を刺激していたらかゆみが悪化する可能性があるので、素材に気をつけた服を着ることをおすすめしますよ♪

引用 インスタグラム
かなりかゆそうですよね・・・この方の症状は少し重いように見えます。PUPPPは妊娠性痒疹と違って、細かくツブツブした斑点が多いのが特徴ですよ☆
その他の妊娠中の湿疹の種類と症状☆

多くの妊婦さんが最も悩んでいるのは、妊娠性痒疹とPUPPPです。他にも妊娠中に発症する湿疹があるので、詳しくご紹介していきますね!
妊娠性皮膚掻痒症(にんしんせいひふそうようしょう)
妊娠性皮膚掻痒症が発症するのは、妊婦さんの中で1%~3%とすごく稀(まれ)な皮膚疾患です。皮膚が赤くなったり、湿疹ができることは少なく、ムズムズ・チクチクした痛みやかゆみが生じるのが特徴です★

妊娠性皮膚掻痒症の原因
詳しい原因はわかっていません。「ホルモンバランスの変化によるもの」または「ママの体が赤ちゃんを異物として認識した時に発症する」などと言われていますが、原因は不明なので、それらが理由かはわかりません。

妊娠性皮膚掻痒症の症状
この皮膚疾患は湿疹ができることは少ないですが、それでは一体どんな症状が出るのでしょうか?
- 妊娠5か月くらいから発症することが多い
- 赤みや湿疹はほとんどできない
- ムズムズ・チクチクした痛みやかゆみ
- 皮膚の乾燥
- かきすぎると、皮膚が硬(かた)くなっていく
妊娠中期である5か月くらいから発症する方が多いです。妊娠性痒疹やPUPPPのような湿疹はできず、かゆみや痛みによって症状に気づくケースが多いでしょう★
「ムズムズ・チクチクした痛みやかゆみ」と表現する方もいれば、「虫が走り回っているようなかゆみ」と鳥肌が立つような表現をする方もいるのです!
それほどかゆく、かきむしってしまい血が出て痛みが生じることもあります。発症することが稀なので、発症した妊婦さんは「その辛さをわかり合える人がいない」と悩んでいる方も多いのです・・・

肌の乾燥が進むことで、激しいかゆみが増していくのも妊娠性掻痒症の特徴のひとつです★乾燥により、皮膚がカサカサして、粉がふいてしまうこともあるのですよ。
かきすぎてしまうとその部分だけ皮膚が厚くなり、一時的に皮膚が硬くなることがあるようです!
妊娠性皮膚掻痒症の対策
「虫が走っているようなかゆみ」を伴う妊娠性皮膚掻痒症になってしまった時、一体どうしたら良いのでしょうか?
- 皮膚科へすぐに行く
妊娠性皮膚掻痒症は、肌が乾燥することで激しいかゆみが起こります。そのかゆみは我慢できるほどのレベルではありません。市販の保湿クリームで症状を改善させることはかなり難しいと思われます!

妊娠中は普段よりも肌が乾燥しやすくなるので、妊娠性皮膚掻痒症になったらもっと肌が乾燥します!普段よりも肌を保湿しているのに、肌の乾燥が進む場合にはすぐに病院へ行きましょう★
赤ちゃんに影響を与えないクリームや内服薬(ないふくやく)を処方してくれるでしょう♪
引用 インスタグラム
この方は妊娠性皮膚掻痒症を発症し、産婦人科で薬を処方してもらっています☆それでも、この市販のクリームも使って肌の乾燥予防をしているようですよ♪妊娠性皮膚掻痒症は、それだけ乾燥には気をつけないといけないのですね!
次に、他の湿疹についても詳しく見ていきましょう♪
妊娠性類天疱瘡(にんしんせいるいてんぼうそう)
妊娠性類天疱瘡とは、2000人~5000人に1人という割合で発症すると言われており、比較的稀な皮膚疾患です★「平(たい)ら、または少し盛り上がった赤い点の湿疹」から始まり、水ぶくれもできるのです。とても強いかゆみがあるのも特徴のひとつですよ!

妊娠性類天疱瘡の原因
妊娠中に発症する皮膚疾患の多くは、なぜ発症するのか原因はわかっていません。妊娠性類天疱瘡の原因とは一体何なのでしょうか?
- 自己免疫現象(じこめんえきげんしょう)

免疫とは「病気になることを避けるための仕組み」のことで、体は「免疫」を持っているため、簡単には病気になることはありません。
通常は外部(がいぶ)からの細菌などが体の中に入り、体が「これは危険!」と判断すると、何らかの反応を起こします。
また、時に自分の体の中にある安全な物質を「危険!」と判断し、体が反応してしまうことがあるのです!それを「自己免疫現象」と呼ぶのですよ★
ですが、なぜ妊娠中に自己免疫現象が起こり、妊娠性類天疱瘡を引き起こすのかはわかっていません。

妊娠性類天疱瘡の症状
水ぶくれの発疹以外に、どんな症状があるのか詳しく見ていきましょう!
- 妊娠5か月~10か月に発症しやすい
- 平ら、または少し盛り上がった赤い点が最初にできる
- 水ぶくれができる
- 最初は臍(へそ)周りに発症することが多い
- とても強いかゆみ
- 産後に悪化するが、すぐに治る
激しいかゆみがあるのは、他の妊娠性の皮膚疾患と同じですが、産後に悪化する可能性が高いのは妊娠性類天疱瘡だけなのです。産後に悪化しても、数週間から数か月で症状は改善されます☆

一般的には妊娠中期から後期に発症するケースが多いですが、妊娠初期に発症する方も少なくありません。最初は平らか、少し盛り上がった赤い点ができ、臍周りにできることが多いのですよ!
その後水ぶくれができ、だんだんと体中に広がっていくのが特徴で、とても激しいかゆみもあります。
妊娠性類天疱瘡の対策
水ぶくれができ、産後に悪化する可能性の高い妊娠性類天疱瘡!発症したら、どうしたら良いのでしょうか?
- 皮膚科へすぐに行く
もう病院に行くしかないのです!他の妊娠性の皮膚疾患と同じで、原因がきちんとわかっていないので予防をすることもできません。
妊娠後に体がかゆくなったり、小さくても湿疹を見つけたらすぐに病院へ行きましょう!妊娠性類天疱瘡は水ぶくれができ、さらにかゆみもあるのでかなり辛い皮膚疾患です。
かゆくてかいてしまって、中の水が出てきたら痛みも出てきてしまうかもしれません。水ぶくれができる前の、赤い点の湿疹の時点ですぐに病院へ行くことをおすすめします☆
ママが妊娠性類天疱瘡を発症しても、赤ちゃんには何の影響も及ぼさないことが多いです☆稀に、赤ちゃんも妊娠性類天疱瘡の湿疹を伴って生まれてくることがありますが、通常は数週間で消えるので心配いりません♪
しかし、ママが妊娠性類天疱瘡を発症すると赤ちゃんに危険が及び、死産となるリスクが高まるという意見もあります。
引用 インスタグラム
この方も妊娠性類天疱瘡に悩んでいる妊婦さんのひとりです★妊娠性類天疱瘡によるかゆみを「恐怖」と言っているほど、この皮膚疾患は辛いものなのだということがわかりますよね。
この記事では、妊娠中に発症する皮膚疾患についてご紹介しました!妊娠性痒疹は蕁麻疹のような湿疹が特徴のひとつですが、蕁麻疹とは違います。
妊娠中の蕁麻疹について詳しく知りたい方は、妊娠初期症状で蕁麻疹!?対策と気になる赤ちゃんへの影響は!?をご覧ください♪
湿疹以外にも、肌荒れで悩んでいるママにおすすめなのは妊娠初期症状で現れるニキビや肌荒れ!!改善策やコスメを紹介の記事です♪参考になるコスメや先輩ママの体験談も読むことができますよ☆
妊娠性掻痒症はチクチクした痛みが特徴のひとつですが、中には「湿疹はないのに、チクチクした痛みがある!」というママもいるでしょう。
そういう方におすすめなのは妊娠初期症状にチクチクする痛みは何??体験談も含め大調査!!の記事です★ぜひ参考にしてください♪
まとめ
- 妊娠性痒疹は、蕁麻疹のような湿疹ができて強いかゆみも伴う。ママが最も悩まされる皮膚疾患のひとつ。
- PUPPPは、赤い斑点の湿疹ができて激しいかゆみも伴う。ママが最も悩まされる皮膚疾患のひとつ。
- 妊娠性掻痒症は、ムズムズ・チクチクした痛みやかゆみを伴う。発症するのは稀。
- 妊娠性類天疱瘡は、赤い点や水ぶくれの湿疹ができて強いかゆみも伴う。発症するのは稀。
妊娠をして、お腹の中で赤ちゃんを育てるだけでも大変なのに、激しいかゆみのある発疹までできてしまうとかなり辛いですよね・・・
発疹を見つけたり、肌が普段よりも乾燥してきた場合にはすぐに皮膚科へ行きましょう☆