皆さんは「不妊様(ふにんさま)」という言葉を知っていますか?最近ネットで話題になった言葉で、はっきりとした定義のようなものはありませんが、不妊治療をしている人や不妊症の女性のことを全般に指すものでもありません。
ネットを見ていると、不妊治療を受けている、もしくはなかなか授からないと悩んでいる人が、妊婦さんを妬(ねた)んだり、子供を見て嫌だな~と感じている状態のことでも「不妊様だ」と言われていることがありますが、調べてみるとそうではないことが分かってきました!
今回は不妊様が一体どんな人のことを指すのかをきちんと理解をするとともに、不妊様の特徴や不妊様になってしまう原因と対策を紹介していきます。
もくじ
不妊様とは一体どういう人のことを言うの?

最初に紹介した通り不妊様とは、ネットで話題になった言葉なのではっきりとした定義はありませんが、たいていの場合は子供が出来ないからと周囲の人に気を遣わせたり、不快な思いをさせる人のことを指しています。
つまり、不妊治療中の女性や不妊症の女性全般を指すのではなく、不妊である自分をまるで悲劇のヒロインのように思い込んでしまい、自己中心的な言動をしている人のことを不妊様と言うのです。


マタニティマークを鞄につけてたら夫に「マークを見てわざとぶつかってきたり足を引っ掛ける人がいるらしいから気を付けるんだよ」と言われた。ネットで調べても本当にそういう人がいるみたい……私もだいぶ不妊様こじらせてたけどそんなことしようなんて思いつきもしなかったよ😞生きづらい世の中だ
— みゆ®︎1y4m♂ (@ponkichi2018) September 17, 2017
引用 ツイッター





不妊様の3つの特徴

最近は「これをいうと不妊様って言われてしまうけど・・・」や「自分が不妊様だから子供ができないのかな」と悲しい思いをしている人もたくさんいます。でもちょっと待ってください!不妊様の定義はあいまいではありますが、「周りに気を遣わせたり、不快な思いをさせている人」のことでしたよね。
誰しも喜んで不妊様になるわけではありませんし、周りのことを考えてグッと自分の感情をこらえている人の方が多いのです。そんなあなたは不妊様ではないかもしれませんよ!まずは特徴をチェックしていきましょう。
- 妊娠報告を受けた途端に手のひらを返す
- 子持ちの女性に厳しい
- 「妊娠」「妊婦」「赤ちゃん」に敏感になってしまう

妊娠報告を受けた途端に手のひらを返す
最近SNSで妊娠・出産報告をされる方、多いですよね。SNSでの報告はとにかくたくさんの人に一気に報告ができることが利点です。
しかし、その分不妊治療を頑張っている人や不妊で悩んでいる人からすると「素直に喜べない」「またか・・・」「なんで私には出来ないの」といった複雑な感情になることも・・・。
大体の人は、内心はどうであれ妊娠報告を受けた後は「おめでとう」と無理矢理にでも笑って祝ったり、返信をしますよね。しかし、一部の人たちはそこからぱったりと疎遠(そえん)に、またはSNSをブロックしてしまったりするようです。





子持ちの女性に厳しい
たとえば、子供がいる友達や赤の他人の女性に対して「自分ならあんな子育てはしないかな」と何かと批判(ひはん)したり、育児の不満などを少しでも漏らすと「せっかく授かったのに!私は欲しくても出来ないのに!」と厳しく非難(ひなん)したりする人もいます。
子供が騒いだりしていると「しつけがなっていない」と言ったり、子供を叱っているところを見た時は「それは虐待(ぎゃくたい)になるんじゃない?」と注意したり。まるで小姑(こじゅうと)になってしまう人も中にはいます。



「妊娠」「妊婦」「赤ちゃん」に敏感になってしまう

子ども見るの辛い
おむつのCM流れると辛い
おばあちゃんおじいちゃんと孫の姿を見ると辛い
妊婦さん見ると辛い
って思うことがもう不妊様と非難される。性格悪いから赤ちゃん来ないと。
本人だって、こんなこと考える自分嫌だ…って悩んで、気持ち抑えて陰で泣いてる人の方が多いよ。#スッキリ— かな大作戦ฅ^•ﻌ•^ฅ広島藩士 (@kana_vbv) July 11, 2019
引用 ツイッター
子供を望んでいてもなかなか出来ない人で、「妊娠」「妊婦」「赤ちゃん」というワードに敏感になり、「どうして自分には赤ちゃんができないんだろう」と思い悩んでしまう人がたくさんいます。
それを口に出してしまうと「不妊様だ」と言われてしまうのでたくさん我慢をして、家に帰って涙を流す人もたくさんいるでしょう。そういう人は、きちんとその場では辛い気持ちを我慢してやり過ごすことが出来ているので不妊様ではありません。
心で何を思おうがそれは個人の自由です。ただし、その気持ちを言葉にするときやSNSなどで発信するときだけは、注意が必要です。
今までの不妊様の特徴を見ても分かる通り、不妊様になっている人はそういった我慢や注意が全くできなくなって周りの気持ちもお構いなしに発言している人のことなのです。



不妊様になる原因は?

今、日本で不妊治療を受けている人は6組に1組ともいわれていて、年々増加していることをご存じでしょうか?不妊治療を受ける人はなぜ増えた?多くの人が悩む不妊症とは?ではその理由を紹介していますので是非ご覧ください。
なかなか授からないと悩んでいる人も多い中、どうして不妊様が生まれてしまうのでしょうか?不妊様の特徴でも紹介したように、不妊様になりたいと思って喜んでなる人はいません。普段は周りのことを考えて自分の感情をこらえています。
それでは、なぜ我慢ができなくなって周りに迷惑をかけるようになってしまうのでしょうか?その原因を3つご紹介します。
- 期待と落ち込みの繰り返しで精神的にまいってしまう
- 不妊治療でホルモンバランスが乱れてしまう
- 高額医療費が負担になってしまう

期待と落ち込みの繰り返しで精神的にまいってしまう
「今月はどうかな?」「もしかしたらこれって妊娠初期症状!?」という期待を膨らませていたのに、生理が来てしまった。そのときの気持ちの落ち込みようは言葉には言い表せません。
もしくは、体外受精などで受精が成功してもうまく着床しなかった、ということもあります。「不妊治療を受ける=必ず妊娠する」ということではありませんので、期待と落ち込みの繰り返しが長期間続くと、人間誰しも精神的にまいってしまうものです。


不妊治療でホルモンバランスが乱れてしまう
妊娠をすると体内のホルモンはいつも以上に働き、赤ちゃんが体内で育つ環境を整えるなど、とても大切な役割を果たします。だから妊娠とホルモンはとても深い関わりがあると言われています。
その証拠として不妊治療の一つにホルモン剤が処方されることもあります。しかし、このホルモン剤の影響で体内のホルモンバランスが崩れてしまう人もいます。
ホルモンバランスが崩れると生理周期が乱れたり、生理前のようなイライラが募(つの)ることが考えられます。不妊治療を受けているのにどうしてこんなことに・・・という不安感などからイライラが募り、爆発してしまう人もいるようです。


高額医療費が負担になってしまう
知っている人も多いと思いますが、不妊治療は保険適用外になる項目が多いため高額な医療費がかかります。その平均費用はなんと100万円以上。中には1000万かかったという人もいます。
共働きをしている家庭も多いとは思いますが、治療の度に高額な医療費の出費はかなりのストレスになり得ます。しかも高額な医療費を出さなくても自然に妊娠している人がいるのだと思ったら・・・。
高額な出費に対する不安も募り、ますます悲観的になってしまってもおかしくありません。


不妊様にならないためには?

誰しも喜んでなりたくはない不妊様。しかし、周りからのプレッシャーやたび重なる妊娠・出産報告、そして高額な医療費。いろんなことが要因となり、我慢の限界に達して不妊様になってしまう人も多くいます。
「不妊様になりたくない!」「不妊で醜(みにく)くなる心をどうにかしたい!」など、不妊様にはなりたくないのに、どうしても悲観的な考えになってしまって悩む人もたくさんいます。
そこで、不妊様と言われないように、不妊様にならないようにするための対策を見ていきましょう。
- パートナーと仲良しでいること
- 悲観的になる前に吐き出してみる


パートナーと仲良しでいること
子供は女性だけが頑張っても授かることはできません。男性も一緒に協力しあえる関係がベストだといえます。しかし、男性の中には「今日は排卵日だから」と言われるとどうしてもできなくなってしまうという人もいます。排卵日だけではなくその日以外でも仲良くできる夫婦の方がタイミングも取りやすいかもしれませんね。
また、普段から仲良しでいることで、不妊に伴う不安な感情や焦りといった複雑な気持ちを打ち明けることができます。たとえば妊婦さんや子供を見るのが辛い、友達の妊娠報告を見るのも辛い、といったことも話せるようであれば話しあってくださいね。
夫婦が仲良しで悪いことなんて一つもありません。高い高額医療費の出費のストレスは男性も一緒だと思います。一人で抱えこまず、夫婦一緒に辛い日々を乗り越えられたらいいですね。


悲観的になる前に吐き出してみる
先ほど紹介したことと少し被ってしまいますが、悲観的になる前に吐き出すことも大切です。人に話すことで妙にすっきりすることってありますよね。ぜひ信頼できる旦那様、親、同じ不妊治療や不妊で悩み気持ちがわかってもらえるお友達に打ち明けてみましょう。
不妊治療や不妊で悩んでいる人はとても多いので、話してみると「わかる!」と言われることも多いそう。自分だけだと悲観的に考えていたことも受け入れてもらえることで気持ちがスッと軽くなります。

【質問】
不妊治療をして1年目の30代主婦です。治療をはじめても少しも妊娠する気配がなく、生理が来るたびに泣き叫んでついに1年目になりました。その間、周囲では本当に日本が少子化なのか信じられないくらい妊娠ラッシュでした。
なぜ私にはできないのか一人になると涙がボロボロ出る毎日です。お正月には結婚してすぐに妊娠した義兄の奥様が、また二人目を妊娠したと告げられ、話題はずっと妊娠話。
夫の実家でのお正月は、誇らしげに二人目妊娠を満面の笑顔で話し、一人目の赤ちゃんをあやす義兄夫婦の幸せそうな顔に完全に話題に入れない状態になり、みじめな思いをして帰宅して顔が変形するほど号泣しました。
今ではマタニティマークをつけた女性を見ると猛烈(もうれつ)な嫉妬(しっと)で信じられないくらい醜い劣等感を持つ自分がいます。ひねくれ、ひがみ、ここでは書けない恐ろしい感情すら持ちます。
夫は不妊治療に協力的で感謝しています。気も遣ってくれます。でも醜い感情だけはどうおさえていいのかわかりません。趣味や仕事に没頭しても、どうしても気が付くと涙が出てしまう不安な状況です。
どのようにしたらこの醜い感情をおさえることができるのでしょうか。気が狂ってしまいそうなくらい辛い毎日です。
【回答】
今日体外受精1回目の採卵を終え、採れた唯一1個の卵子に賭けている者です。
気持ちすごくわかる~~~~~~~~~!でもこの手の気持ちって、出せないんですよね~~~~~~~!すごい正直な気持ちを聞いて、スカッとしたし、私があなたに救われました。
今37歳、主人とはセックスレス4年。主人とのセックスは見込めないから、去年から人工授精を始め、4回失敗の後、今回体外受精に踏み込みました。
私の場合、人工授精という手段に踏み切る前の、セックスレスと子供がほしいという気持ちとの狭間が一番つらかったです。子供がほしい、でもセックスできない・・・。一生懸命妊娠をあきらめる気持ちになろうとしていました。
その頃が一番のどん底。あなたのいう様な醜い気持ちがいっぱいいっぱい芽生えました。不妊治療に主人も合意してくれた時、どん底から立ち上がった感じがしました。
一度どん底を見たし、諦めようと自分を苦しめたから、不妊治療に立ち向かっている今、不思議と醜い気持ちがなくなりました。幸せです。
ひょっとして、マタニティマークをつけている人も、すごい不妊との戦いの末、今付けているのかもしれない。この辛い気持ちを大切にしてください。必ず人の役に立ちます。現にあなたは今私を救っている。
不妊で苦しんでいる人は、結構あなたの気持ちに共感しています。大丈夫、当たり前です。そのくらい辛いのだから。不妊の苦しみは、経験した人にしかわかりません。
投稿してくださってありがとうございました。
引用 教えて!goo(外部リンクに飛びます)


もちろん一番いいのは自分なりのストレス解消法を見つけて実行することですが、なかなかそうしても気持ちが前に向かない人が多いのも現実です。
このように同じ苦しみを経験している人が助けてくれたりもするので、ため込み過ぎず、悲観的になる前に吐き出してみてはいかがでしょうか。ただし、ネット上で書き込むときは、炎上の原因にもなりかねませんので、言葉選びなどに十分気を付けましょうね!
まとめ
- 不妊様とは、子供ができないことを理由に自己中心的な言動になり、周囲に迷惑をかけてしまう人のこと
- 期待と落ち込みの繰り返しで精神的にまいってしまい、不妊様になってしまう
- 不妊治療の一つであるホルモン剤が体内のホルモンを乱れさせてしまう
- 高額な医療費がかさむ不安も不妊様になる原因に
- ご主人の精神面のサポートや悲観的になる前に吐き出すことで不妊様を回避!
不妊様とは不妊治療を受けている人全般を指すのではありません。明確な定義こそはありませんが、子供ができないことを原因に自己中心的な言動になり、周りに迷惑をかけている人のことを指しています。
しかし、不妊様になってしまう原因を見てみると、不妊に悩み、苦しむ女性の我慢が限界に達してしまい、不妊様と化してしまっていましたね。しかしだからといって、周りに迷惑をかけていいはずがありません。
見るのも不快だと思っている妊婦さんも、不妊という辛い思いの末にやっと授かった子供かもしれないのです。不妊様になってしまう前に旦那様や周りに頼って自分の気持ちをさらけ出すことも大切ですよ!