不妊治療は先が見えずに辛いものです。治療費もどんどん高額になり、精神的にしんどい中で家計のことも考えなければいけませんよね。そんな時に考えるのが「不妊治療費って医療費控除の対象なの?」という事です。
高い治療費の控除が少しでもあれば助かりますよね!今回のテーマは、不妊治療と医療費控除について書きました。こういう事は難しいイメージがあって後回しにしがちですが、しっかりと理解して戻ってくるお金があるならきちんと受け取りたいですよね!
この記事で、少しでも不妊治療と医療費控除の関係があなたに伝われば幸いです。
もくじ
不妊治療は助成金の医療費控除の対象なの?


医療費控除とは
まずはじめに、医療費控除はどういった時に受けられるものなのか?という事について見ていきましょう。
- 医療費が10万円以上になる場合
- 総所得が200万円未満の人で、治療などにかかった費用が総所得の5%を超えた場合
不妊治療で医療費控除を受けるときも、この条件を満たしている必要があります。これは今まで病気にかかった事の無い人は、本当に馴染(なじ)みの無い控除項目ですから「まさか医療費控除を受ける事になるなんて・・」と思いますよね。
医療費控除の対象になる費用
ここからは、医療費控除の対象になる費用について見ていきましょう。
- 人工授精、体外受精などの不妊治療費
- 薬代
- 整体やマッサージ、お灸(きゅう)代
- 卵子凍結保管料
- 紹介状の手数料など文書料
- 通院費(交通費)
- 海外での治療費

人工授精、体外受精などの不妊治療費
医療費控除の対象となる項目は人工授精や体外受精などの費用です。これらは法律により医師の診療または治療と認められます。
第207条 法第73条第2項(医療費の範囲)に規定する政令で定める対価は、次に掲げるものの対価のうち、その病状その他財務省令で定める状況に応じて一般的に支出される水準を著しく超えない部分の金額とする。
一 医師又は歯科医師による診療又は治療
二 治療又は療養に必要な医薬品の購入
三 病院、診療所(これに準ずるものとして財務省令で定めるものを含む。)又は助産所へ収容されるための人的役務の提供
引用:国税庁(外部サイトに飛びます)
このように、不妊治療費も「一 医師又は歯科医師による診療又は治療」ということで医療費の範囲内となります。

薬代
医療費控除の対象となる次の項目は薬代です。ですが、気をつけたいのはこれには妊娠検査薬や排卵検査薬は含まれないということです。細かくて間違えてしまいそうですよね!
なぜこれらが控除費用に含まれないのかというと、病気の治療に直接必要な医薬品だと認められていないからなのです。治療や療養に直接必要な医薬品代の購入が対象です。
整体やマッサージ、お灸(きゅう)代
医療費控除の対象となる項目、次は「整体やマッサージ、お灸代」です。私は、これが控除費用に含まれるなんて思っていなかったので驚きました。
これらも法律で医療費の範囲だと指定されています。以下を確認ください。
四 あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律(昭和22年法律第217号)第3条の2(名簿)に規定する施術者(同法第12条の2第1項(医業類似行為を業とすることができる者)の規定に該当する者を含む。)又は柔道整復師法(昭和45年法律第19号)第2条第1項(定義)に規定する柔道整復師による施術
引用 国税庁(外部サイトに飛びます)
この法律によりマッサージや整体、お灸などの費用も、不妊治療に直接的に必要な過程であれば医療費控除の対象になります。

卵子凍結保管料
卵子凍結保管料は、控除の対象になります。卵子の凍結や保存は不妊治療の一環ですよね。そのため、医師の治療または診療ということで対象項目です。

紹介状の手数料など文書料
紹介状の手数料は、医療費控除の対象になります。紹介状は、現在治療を受けている医者によって他の病院での治療を進めるためのものです。なるほど、紹介状の手数料が対象になるのにはこんな理由があったのですね!ですからそれが医療行為の一環だと認められる場合がありますよ。

通院費(交通費)
控除項目に入る費用、次は通院費です。医療費の範囲内に通院費も含まれており、控除の対象なのです。幅広いところまで控除の対象になっていてありがたいですよね。
基本的に控除の対象になるのはバスや電車などの交通機関ではありますが、これには夫の付き添いや飛行機代、新幹線代も場合によって認められることがあります。病気ですから、一人で通院することが困難になる事も考慮されていますね。
ですが、控除の対象外になるものとして駐車場代やタクシー代、ガソリン代があるので注意してくださいね。判断の方法として、公共の交通機関ではない自家用車やタクシーなどを使って通院した場合は含まれない、と覚えておくといいでしょう。
海外での治療費
そしてなんと最後に、海外での治療費です。海外での治療費も控除の対象項目ではありますが、その旅費は認められないことがありますよ。
例え治療を海外で行っても医師の診療または治療であり、通院費は必要な医療費の範囲内なのです。ですが注意したいのは、ツアーなどを使って渡った場合飛行機代などの交通費は認められなくなってしまいます。

医療費控除を受けるのに必要な手続きとは?
ここからは、医療費控除を受けるのに必要な手続きについて説明をします。
- 確定申告
給与所得者が医療費控除を受けるには確定申告をします。そのさいに、病院や薬局などのレシートの提出が必要ですよ。
こういったことは非常に面倒だと思いがちですよね・・。でも確定申告が近くなって、いろんなところに散らばったレシートなどを集めるのは大変ですから普段から予めざっくりとでも一つの箱にまとめておくなど工夫をしておくといいでしょう。
また、以下の国税庁のホームページから確定申告の書類「医療費の明細書」がダウンロードできます。
レシートや領収書をもとに医療を受けた人、続柄、病院や薬局などの名称と所在地、治療内容や医薬品名、支払った医療費、保険で補填(ほてん)される額などを記入していきましょう。
最近では、無料の確定申告サービスなどもあります。どうしてもこういう作業が苦手だったらそういったサービスを使うのもいいかもしれませんね。
まとめ
- 不妊治療費は医療費控除の対象。しかし、控除を受けるには条件がある
- 医療費控除の対象には海外での治療費や紹介状の手数料など、驚くような項目も含まれている
不妊治療費は医療費控除の対象ですが、このようにたくさん細かい決まりがある事が分かりました。細かいことまで定められていて混乱してしまいそうですよね。大事な事は、その費用は不妊の治療に直接関わっているか?というところです。
これから産まれてくる命のためにお金を使いたいですから、このように使えるものはしっかりと使って賢くお金のやりくりをしていきたいものですね。