赤ちゃんを心待ちにしているママにとって「流産」をしないか不安になる方も多いでしょう。流産とは「妊娠をしたにも関わらず、妊娠が継続できずに早い時期に赤ちゃんが亡くなってしまうこと」です。
経験をした方にとってはとても悲しく、辛い経験ですが日本では妊娠した女性のうち約4割もの方が流産を経験していると言われています。比較的に高い確率で流産は起こりうるのです。
流産の確率は時期によって違うということがわかっています。また流産の原因や妊娠中の注意点についても詳しくご紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね★
もくじ
流産の確率は時期によって違う?流産の原因と妊娠中の注意点も知ろう!

日本では流産を経験したことのある女性は決して少なくありません。「1人の女性が妊娠をし、流産を引き起こす確率は約15%」との報告も上がっています。女性にとって「流産」は比較的身近にあるものなのですね。
また高齢出産の場合、流産を引き起こす可能性は急激に上がるとも言われています。流産はとても辛い出来事ですが、流産をしやすい時期やその原因をしっかりと知っておくことで、予防することもできるのです☆

流産とは?
妊娠22週より前の早い時期に赤ちゃんが亡くなってしまうことを「流産」といいます。

実は流産にはいくつか種類があるのです。これから詳しく説明していきます!
流産の種類について

「流産には種類があるの?」と驚かれた方もいるでしょう。実は流産の原因やその際の症状によって疾患名(しっかんめい)が変わるのです。
流産の種類

- 化学的流産(生化学的妊娠)
- 切迫流産
- 稽留(けいりゅう)流産
- 完全流産
- 不全流産
- 感染流産
- 反復流産

化学的流産(生化学的妊娠)
化学的流産とは「尿の検査により妊娠反応が出ていたにもかかわらず、超音波で赤ちゃんを確認できる前に流産してしまった状態」のことです。化学的流産の場合、月経時のような出血が起こります。
検査をしなければ妊娠に気づかず、月経だと思い流産をしていたことに気づかない場合が多いです。
切迫流産
切迫流産とは「流産のリスクが高まっている」という状態で、赤ちゃんの心拍はきちんと動いています。妊娠を継続できる可能性が残っています。
妊娠初期に子宮壁(しきゅうへき)から胎盤が剥(は)がれることにより出血し、腹痛を伴うこともあるのです。
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稽留流産
稽留流産とは「お腹の中の赤ちゃんの心拍と成長が止まり、亡くなってしまった状態」のことをいいます。出血や腹痛などは起こりません。ママに自覚症状がないことがほとんどで、産婦人科での検査の際に初めて発覚する場合が多いです。
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完全流産
完全流産とは「胎児を含め、子宮内の内容物全てがママの体外から自然と排出された状態」のことをいいます。それまでの過程で出血や腹痛などの症状が起こることもあります。
子宮内の物全てが体外へ完全に排出されたあとは、徐々に出血や腹部の痛みは消えていく場合が多いです。また子宮が元の状態へと戻ろうとする過程で多少痛みを感じる方もいます。
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不全流産
不全流産とは「子宮内の一部の内容物がまだ子宮内に残っている状態」のことです。子宮内容物が完全にはママの体外へ排出されておらず、出血や腹痛が続くこともあるのです。
いつ体外へ完全に排出されるかわからないので、ママの体調が悪くなり、日常生活に支障をきたす場合もあります。2週間程度経過しても、まだ体内に残っている場合は手術を行います。
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感染流産
感染流産とは「細菌などによってママの体が感染し、赤ちゃんが亡くなってしまうこと」です。細菌感染は様々な理由が考えられますが、妊娠する前からママが何らかの細菌を持っていることもあります。
妊娠してから感染するママもいて、妊娠中の食事から感染する可能性もあるのですよ。料理をする際には、まな板や包丁などを常に清潔にしておくことも大切です。また感染流産の場合、母体にかなり負担がかかりますので慎重になる必要があります。
反復流産
反復流産とは「流産を2回以上繰り返した場合」のことをいいます。原因を詳しく検査する必要があります。
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流産の種類についてわかったところで、次に流産をする確率と原因について詳しく説明していきます。
流産をする確率と原因とは?

流産は発症する時期によって「早期流産(妊娠12週未満)」と「後期流産(妊娠12週以降22週未満)」に分けられ、確率は時期によって異なります。流産の原因も妊娠時期により異なると言われているのです。
流産をする確率
流産をする確率を時期別に紹介していきます。
- 妊娠5週~7週:22%~44%
- 妊娠8週~12週:34%~48%
- 妊娠13週~16週:6%~9%
妊娠初期はママの体と赤ちゃんにとってとても大事な時期です。赤ちゃんはこの時期に急激に成長をするので、ママはつわりが始まったりとママの体も不安定になります。
この時期に流産をしてしまう方が多く、流産を経験した方のうち約80%の方が早期流産をしています。後期流産の確率は約20%なので、妊娠12週未満に流産をしてしまう確率が圧倒的に高いということがわかりますよね。
また高齢出産の場合、流産の確率はさらに上がると言われています。30代後半で約25%、40代で約45%と加齢とともに確率は増加するのです。


次に流産を引き起こす原因について詳しく説明していきます。
流産の原因
流産の主な原因には様々で、早期流産と後期流産で流産の原因は異なると言われています。
- 赤ちゃんの染色体(せんしょくたい)異常
- 子宮奇形
- 子宮頸管無力症(しきゅうけいかんむりょくしょう)
- 絨毛膜羊膜炎(じゅうもうまくようまくえん)
- 喫煙・飲酒
- 肥満
- 両親が疾患を持っている

赤ちゃんの染色体異常
赤ちゃんの染色体に異常がある場合、妊娠継続ができなくなります。染色体異常による流産は、卵子が受精した瞬間にすでに決まってしまいます。とても悲しい事実ですが、「流産することが最初から決まっていた」ということなのです。
早期流産の場合、最も多い原因はこの赤ちゃんの染色体異常です。残念ですが、これを予防する方法は現在は見つかっていません。

子宮奇形
子宮奇形という病気を聞いたことのある方は少ないでしょう。子宮には正常な形があり、「子宮が2つに分かれていたり、正常の形とは異なる形」をしている方もいるのです。子宮奇形は約5%の女性に見られる病気で、決して稀ではないのです。
治療は基本的に手術のみとなります。子宮奇形であっても無事に出産できるケースは多いので、手術は必要ではない方が大半です。

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子宮頸管無力
子宮頸管とは子宮の入り口の部分となります。子宮頸管無力症とは「赤ちゃんを保持する力が足りず、臨月を迎える前に子宮頸管が開いてしまう状態」のことです。日本では0.05%~1%とかなり低い確率で発症すると言われています。
通常子宮頸管は硬く閉じていて、陣痛が始まるまで赤ちゃんを子宮内に留めておく役割があります。妊娠16週以降に発症することが多く、陣痛や出血などの自覚症状がないことがほとんどです。

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絨毛膜羊膜炎
絨毛膜羊膜炎とは「膣内(ちつない)が細菌に感染し、炎症を起こしている状態」のことです。最初は異常細菌が子宮頸管を通って感染していきます。赤ちゃんを守っている羊水を包む卵膜まで達することで、絨毛膜羊膜炎を引き起こすのです。
羊水や胎盤を通して赤ちゃんも細菌に感染する可能性もあり、流産だけでなく早産のリスクも高くなります。
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喫煙・飲酒
お腹の中の赤ちゃんはママから栄養をもらっています☆妊娠中の喫煙・飲酒は赤ちゃんに悪影響を及ぼすことは明らかですよね。ママの喫煙・飲酒は赤ちゃんも喫煙・飲酒しているということなのです。
妊娠中の喫煙は「子宮内胎児発育遅延」を引き起こし、生後は赤ちゃんが神経発達障害を発症するリスクもかなり高まります。
妊娠中のアルコール摂取は「胎児アルコール依存症」や「子宮内胎児発育遅延」、「中枢(ちゅうすう)神経障害」を引き起こす可能性があります。また早産や奇形児のリスクも大変高まることもわかっているのです。
またママは喫煙していなくても家族の中に喫煙者がいる場合、副流煙により母体と胎児に悪影響を及ぼす場合もあります。その場合はママと赤ちゃんに配慮し、離れた場所で喫煙してもらうことは必須です。
妊娠中は副流煙の影響を受けやすい場所に行くことは避けた方が良いでしょう。

肥満
現在日本では約2割の女性が肥満であり、肥満は高血圧症や糖尿病などざまざまな病気の原因となります。また「妊娠継続にも影響を与える」とも言われています。
標準体重の方に比べると肥満の方は妊娠する確率が低くなることがわかっていて、「生理不順や排卵障害が原因では?」と考えられています。流産についても、肥満であればあるほど流産の確率は高くなると結果が出ているのです。
反復流産も肥満の方は標準体型の方と比べると確率は上がります。また妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群を発症する可能性も高まるので、肥満には気をつけましょう。


両親が疾患を持っている
ママだけでなくパパも含め、親が何らかの疾患を発症している場合、流産の可能性は高まると言われています。妊娠が発覚してから、血液検査などを行った際に疾患を持っていることを知るケースが多いです。
この際に子宮奇形が発覚したり、またはママとパパの染色体異常が発見されるのです。
妊娠中の注意点とは?

妊娠中は日頃からあまり無理をしないように気をつけているママも多いでしょう。しかし、第2子以降の赤ちゃんを妊娠中の場合、なかなかゆっくりすることが難しいママもいますよね。
妊娠中に気をつけた方が良いことはあるのでしょうか?詳しく見ていきましょう。
妊娠中に気をつけること


- ストレスを溜めすぎない
- 体を冷やさない
- 重いものは持たない
- 車・自転車の運転
- 食べすぎに注意する
- 避けた方が良い食べ物・飲み物
- つわりがひどい時は、食べられるものを食べる
- 葉酸を摂取する
- 不安なことは先生に相談する
- 服薬
- 感染症
妊娠中はママが無理をしすぎてしまったり、体の冷えはママにとって大敵となります。妊娠中は体を温め、休むことがママには必要なのです☆車・自転車の運転はだめではありませんが注意する必要があります。
妊娠中はママの体調が悪くなったり、急に眠気が襲ってくることもあるので、注意散漫になる可能性があるためです!また衝突されたり横転などの事故のリスクもあるので、できれば運転は避けた方がいいでしょう。
葉酸はママの貧血防止になったり、赤ちゃんを正常に発育する手助けをしたりと妊娠中に必要な栄養素です☆食事で摂取することも可能ですが、葉酸サプリを飲んでいる妊婦さんも多いですよ♪

妊娠中は心配事も増えることでしょう。不安になったときは1人で溜め込まず先生に相談しましょう☆ストレス軽減にも繋がります!

まとめ
- 流産とは妊娠22週未満に胎児が亡くなること
- 日本では約4割の女性が流産を経験していて、流産する確率は約15%
- 流産には切迫流産や感染流産など様々な種類がある
- 妊娠5週~12週未満に流産する確率が圧倒的に高い
- 流産の原因は赤ちゃんの染色体異常や子宮頸管無力症など
流産は経験した方にとってはとても悲しく、辛い出来事です。しかしながら、日本では妊娠をした女性のうちおよそ半数近い方が流産を経験しています。これはとても高い確率であるといえます。
また流産を有効的に予防する方法は解明されていなく、流産のことを考えると不安になってしまいますよね。なるべくストレスを溜めないようにリラックスし、ママの体と赤ちゃんに負担がかからないように普段から気をつけることが大切ですよ☆