みなさんは妊活(にんかつ)をご存じですか?私の友人はなかなか妊娠できずに悩んでいて見るからにつらそうだったのですが、これからお話しする妊活を知ることによって、子供に恵まれたのです。
本当に幸せそうでした!今回はその妊活方法「顕微授精(けんびじゅせい)」をご紹介しますね。
もくじ
そもそも顕微授精って?
数多くある不妊(ふにん)治療の中で、顕微授精という方法をご存じでしょうか?なんと世界では約70%の生殖(せいしょく)医療に、この顕微治療と言う方法が使われているのです。1994年に日本国内で出産が報告されて以来、実施件数は2014年に4万件を越え全出生の約4.7%を占めています。
では、顕微授精とは一体どのようなことをするのか一緒に見ていきましょう!
排卵誘発(はいらんゆうはつ)
卵子(らんし)の成熟を増進させ、1ヶ月に数個(自然周期では一か月に1個)の卵子を体内で作らせる点鼻薬・注射等を月経3日目から服用します。卵子が多い方が妊娠確率が高くなるのです。
採卵(さいらん)
排卵誘発剤を服用してから36時間後に採卵し、採取した卵子に培養液をかけます。処置(しょち)には痛みが伴(ともな)い、超音波装置と針を使用するため麻酔(ますい)をかけますが、時間はおおよそ10分程度です。
精子採取(さいしゅ)
男性の精子を採取してから、死滅(しめつ)精子や未熟(みじゅく)精子を分けるため遠心分離機にかけます。すると下に質の良い精子が集まるのでその中から質の良い成熟(せいじゅく)精子だけを取り出し使用します。(精子減少症の方の場合は、この方法は使いません。)
顕微授精
卵子の周りは顆粒膜細胞(かりゅうまくさいぼう)という細胞で覆(おお)われているのでヒアルロニターゼという酵素で除去し、その後ガラス管を使い精子を卵子に注入します。18時間後に受精が確認できたら、培養液にかけしばらくしてから、母親の子宮(しきゅう)に着床させます。
顕微授精のメリットやデメリット
顕微授精についてお伝えしましたが、顕微授精にはどんなメリットがあるのか分からなければ不安ですよね。顕微授精のメリットデメリットを一緒に見ていきましょう!
顕微授精のメリットは?
受精に問題があっても、最後の手段として選択できます。たとえば卵子の中に入っていく力の弱い精子や、精子数が少ない場合にも受精することが可能です。
また、ひとつの卵子に対して複数の精子が受精してしまう多精子受精を避ける事ができる等があります。つまり、受精できない原因があっても妊娠できる可能性が広がります。

顕微授精のデメリットは?
物理的に針を刺すので、その衝撃で卵子に傷をつけてしまったり、卵子が死んでしまう可能性があります。
顕微授精の子供への影響は?
オーストラリアのある研究グループからは「顕微授精の場合、赤ちゃんに染色体(せんしょくたい)異常が発生する確率が高い可能性がある」という報告もありますが、医学的な根拠ははっきりしていません。
顕微授精のリスクについて、現在も研究が続けられている段階で、「必要がないのに顕微授精を行うことは避けるべき」とされています。


かかる費用は?

いざ顕微授精を受けようと思っても、一体費用はいくらなのでしょうか?支払える金額なのか気になりますよね。そこで、それぞれの費用をまとめましたので一緒に見ていきましょう。
- 卵採取(らんさいしゅ)
およそ10万円
- 局所麻酔(きょくしょますい)
およそ2万円
- 静脈・吸入麻酔(じょうみゃく・きゅうにゅうますい)
およそ5万円
- 精子培養(せいしばいよう)
およそ4万円
- 受精卵培養(じゅせいらんばいよう)
およそ6万円
- 胚移植(はいいしょく)
およそ9万円
ある患者さんの場合はこうなります。



顕微授精の補助金は?
顕微授精の費用を見て、驚いた方も多かったのではないでしょうか?しかし、高額治療への補助金がありますので、詳しく見ていきましょう
対象は?
- 特定(とくてい)不妊治療以外の方法では妊娠(にんしん)の見込みがないか、又は極めて(きわめて)少ないと指定医療機関の医師に診断された方
- 治療開始(ちりょうかいし)時点で婚姻(こんいん)している法律上のご夫婦であること
- 夫婦合算(ふうふがっさん)の所得(しょとく)金額が730万円未満であること
- 治療開始時点で妻の年齢が43歳未満であること
助成額(じょせいがく)は?
1回の治療につき15万円が上限(じょうげん)
ただし、(1)~(3)に該当(がいとう)する場合は、次のとおりです。
(1) 次のア・イの治療の場合は、1回の治療につき7万5千円を上限に助成
ア 以前に凍結(とうけつ)した胚(はい)を解凍(かいとう)して胚移植を実施
イ 採卵したが卵が得られない、又は状態のよい卵が得られないため治療中止
(2) 初回の治療に限り、1回の治療につき30万円を上限に助成(ただし、(1)ア・イの治療を除きます。)
(3) 特定不妊治療に付随して、精子を精巣(せいそう)又は精巣上体(せいそうじょうたい)から採取するための手術(男性不妊治療)を行った場合は、手術費用及び凍結費用を対象に15万円(初回治療で平成31年4月1日以降に治療を開始した場合30万円)を上限として助成(ただし、(1)アの治療を除きます。)
※各自治体によって手続き方法などが異なる場合があるので詳しくはお住いの自治体までお問い合わせください。

顕微授精の妊娠の成功率は?

そもそも、妊娠するためには、受精卵が子宮内膜に定着しなければなりません。つまり顕微授精が比較的高い率で受精できても、妊娠しない可能性があります。
日本生殖医学会のデータによると、体外受精(顕微授精も含む)後、胚移植あたりの妊娠率は、30歳で42%、35歳で38%、40歳で26%という報告があります。また妊娠した後も、流産・死産してしまう可能性があります。

妊活や妊娠をしたら葉酸が大切なことはご存じですか?妊娠をしたら葉酸を摂取しないといけない理由は??摂取量は??では、妊活中や妊娠中に必要な葉酸について詳しく書かれていますので、ぜひご覧ください!
まとめ
- 顕微授精とは精子を直接卵子に注入する方法
- 顕微授精のリスクは研究段階
- 顕微授精の費用はおよそ30万円
- 顕微授精の成功率は年齢によって異なる
今回は顕微授精を解説しました。顕微授精やその確率については分かっていただけたでしょうか?現在は科学技術の進歩で妊娠が難しい方でも妊娠しやすくなっています。
妊娠できずに悩んでいらっしゃる方も望みが叶うといいですね♪