突然ですが、あなたは性行為での「外だし」についてどの位ご存知でしょうか?「外に射精(しゃせい)するから妊娠しない」と思っているのなら、その知識は残念ながら間違っています。
結論を言うと、外だしをしても妊娠する確率があるのです!「外だし」について正しく理解をしていないと、女性の場合ご自身の体を傷つけてしまう恐れがあります。それは男性にも同じ事が言えるでしょう。
今回は外だしでも妊娠する確率についてご紹介します。当分はパートナーとのスキンシップを優先に考えている方や、妊娠を望んでいない方は是非パートナーと一緒にご覧下さい♪

もくじ
妊娠する確率は外だしでもあるの?

「外だし」とは男性が性行為時に射精(しゃせい)をする前に、性器を女性の膣(ちつ)から抜くというものです。膣から抜いて外に出す事で精子が子宮に入らない事から、避妊法の1つとして知られています。


実は「外だしは妊娠しない」というのは嘘!外出しによる妊娠は年間100組のカップル中約20件の報告が出ており、妊娠する確率は約22%なんだそうです。そして、外だしによる妊娠が多いのが高校生や大学生といった若い人達で、その中の30~60%の人が嘘である事を知りませんでした。


- (精子を)外に出せば妊娠しないよね?
- 外だしで妊娠するんですか?
- 仮に外出しでも妊娠する可能性は高いの?
- 知り合いが「外出しなのに妊娠した」って聞いたけど本当?外出しは避妊じゃないの?
- 外だしだけど、妊娠していないか不安。
- 外だししてもらったのに、妊娠してしまった。


女性は受け入れる立場なのでパートナーからコンドームを着用しない性行為を求められると、許してしまいがちです。しかしその事で望まぬ妊娠をする可能性もあり、最悪女性もお腹の赤ちゃんも傷ついてしまう選択をする場合もあります。


「外だしは妊娠しない」の嘘を解説!

多くの人が「外だしでは妊娠しない」と思っていますが、外だしは避妊ではないという事が分かりました。では、なぜ外だしでも妊娠してしまうのでしょうか?秘密は通称「ガマン汁」とも呼ばれている「カウパー腺(せん)液」にありました!

前立腺(ぜんりつせん)の近くにあるカウパー腺という場所から出る、無色透明の粘液(ねんえき)の事です。勃起(ぼっき)すると精液よりも先に分泌され、女性の膣内で精子が通り易くする働きをします。
このカウパー腺液には精子が含まれている場合もあり、人によっては元気で濃度の高い精子が混じっている場合もあるのです。
射精時と比べ確率は下がりますが、膣内にカウパー腺液を分泌し回数を重ねる事で妊娠する確率が上がります。妊娠を望まないスキンシップとして性行為をおこなう場合や、コンドームを付けない性行為には男女ともに性感染症のリスクもあるので、未来を考えて避けた方が良いですね。

危険日を避(さ)けていても、妊娠する



危険日とは、およそ排卵(はいらん)される前後1週間位の期間の事をいいます。その期間を避けていれば、コンドームをせずに性行為をしても妊娠しないと言われていますが、危険日を避けていても妊娠する事が分かりました!
なぜなら、排卵前に起こる月経(げっけい)は心身のストレスなどによって乱れやすく、それにともない排卵日も変わる場合があるからです。月経周期が安定している人でも、誤差(ごさ)は生じる為きっちりとした排卵日を予想するのは難しいそうですよ。

また、人によっては通常1回の排卵が2回される場合もあります。必ずしも「危険日を避ける+外だし=安全」ではないので、妊娠を望まない方はきちんとコンドームを着用しましょう。

万が一の為に「緊急避妊法」も知っておこう!

では、コンドームを付けずに性行為をした場合、妊娠を避ける方法があるのか気になりますよね。妊娠を希望していないのであれば、なおさら動揺(どうよう)する事でしょう。残念ながら、自分の力では解決する事は出来ません。


性行為後の妊娠を避ける方法は、病院に頼る事です。それは「緊急(きんきゅう)避妊法」というもので、緊急避妊薬と子宮内避妊具の2種類あります。
緊急避妊薬

緊急避妊薬というと「?」と思うかもしれませんが、「アフターピル」と言ったら何となく分かるのではないでしょうか?アフターピルは、月経に関係している黄体(おうたい)ホルモンを主成分としたホルモン薬で、病院に行って処方(しょほう)してもらい服用(ふくよう)します。

性行為後に服用する事で、排卵の時期をずらしたり子宮内膜(ないまく)の厚みを抑えたりと受精や着床(ちゃくしょう)を避ける様にしてくれます。服用するタイミングは早ければ早いほど効果は上がり、性行為後3日(72時間)以内だと約80%の避妊効果があるそうですよ。

しかし、アフターピルの服用までに排卵してしまっていた場合は避妊効果が期待出来ないので、服用後は妊娠検査薬を使って確認した方が良いでしょう。副作用(ふくさよう)として不正出血・嘔気(おうき)などが起こる事もあるので、少しでも不安な事があれば医師に相談して下さいね。
子宮内避妊具

子宮内避妊具はプラスチック製で柔らかく、子宮に似せてT字型に作られた器具です。「リング」とも呼ばれています。この器具を子宮の中に装着をする事で、もし精子と卵子(らんし)が受精したとしても、子宮内膜への着床をさまたげる効果があるのです。
1度装着すると約5年間は持つ為、アフターピルのように毎日決まった時間に服用するといった様な煩(わずら)わしさはありません。しかし、出産経験の無い人には装着時に痛みを感じたり、出産経験のある人でも装着後に不正出血があったりとデメリットもあります。
子宮内避妊具の詳しいメリットやデメリットは、『装着時の妊娠確率は何%??手術不要の【避妊リング】ってなに??』にてご紹介しておりますので、装着希望の場合はそちらも参考にしてお医者さんと相談しましょう。

まとめ
- 外出しは避妊にはならず、妊娠する確率がある。
- 外出しでも妊娠してしまうのは、「カウパー腺液」が関わっているからである。
- 危険日を避けて外だしをしても妊娠する確率はある。
- 外だしでの性行為後、妊娠の不安がある場合は「緊急避妊法」をおこなってみる。
- 緊急避妊法は病院に行ってお医者さんと相談し、処方や施術(せじゅつ)をしてもらう必要がある。
多くの人が「避妊」だと誤解をしている外だしは、実は妊娠する確率が高い事が分かりました。これは女性だけが知っていれば良いというものではなく、男性も知る必要があります。また、若者や妊娠を希望していない夫婦も知っておく必要がありますよね。
もし万が一、妊娠の不安がある場合は1人で抱え込まず早めにお医者さんに相談して下さい。小さな命を授(さず)かる事は奇跡(きせき)ですし、喜ばしい事でもありますがそれゆえに責任もあります。
是非パートナーと正しい知識を共有(きょうゆう)し、愛を育(はぐく)んで下さいね♪