妊娠後、「もしも早産になってしまったら」なんて想像をあなたはしたことがありますか?実際にそうなると、やはりパニックになる方が多いはず。
そこで今回のテーマは『妊娠後どれだけの確率で早産(そうざん)となってしまうの? 原因や予防法をご紹介!』ということで、早産となってしまう確率や原因、または早産にならないようにするためにどうしたら良いかということをご紹介します。ぜひ参考にして頂けると嬉しいです。
もくじ
早産とは?


早産はいつからのことを言うのか
通常、妊娠の経過が順調であれば妊娠37週以降、42週未満で赤ちゃんは誕生します。この時の出産のことを『正期産(せいきさん)』と言います。この正期産に対し、妊娠22週以降、37週未満で生まれてしまうのが『早産』です。
早産には何らかの原因で陣痛がおきてしまい出産してしまう『自然早産(しぜんそうざん)』と、母子の体のトラブルが原因で妊娠の継続が難しくなり、医療的に出産させる『人工早産(じんこうそうざん)』があります。
早産と切迫早産の違いは?


原因には細菌感染や子宮頸管無力症(けいかんむりょくしょう)、子宮筋腫(きんしゅ)、多胎(たたい)妊娠などがあり、自覚症状や検査結果を元に診断されます。切迫早産が進行している場合、入院をしての治療が必要なことがあり、お腹の張りを抑えるために子宮収縮抑制剤(しゅうしゅくよくせいざい)を使用します。
また、感染の兆候がある場合に抗菌薬を使用したり、子宮頸管無力症に対し子宮頸管縫縮術(けいかんほうしゅくじゅつ)という手術をしたりすることもあります。

早産の確率と原因は?

次に早産の確率がどれくらいあるのかを見ていきましょう。
早産の確率は何%?


人工早産となると、母子共々危険な状態であるということですよね。人工早産の具体的な治療方法は原因を除去する、安静にする、子宮収縮を抑制(よくせい)する薬品を使うなどを行います。
その結果、早産になってもそのうちの60%以上は早産にならず、無事「正期産」として出産に至ることができるのです。

早産の原因とは?


早産の原因は母体側と胎児側それぞれにあります。早期発見するには、定期的な検診を受けることが大事です。
- 子宮内感染
- 子宮頸管無力症
- 多胎妊娠
- 子宮の異常
- 妊娠高血圧症候群・妊娠糖尿病などの合併症
- 喫煙(きつえん)
- 妊婦さんが痩せすぎ


子宮内感染
クラミジアなどの細菌が膣(ちつ)に入り込んで炎症を起こし、子宮の入口である頸管(けいかん)に感染してしまいます。
細菌が子宮内に侵入して悪化すると『絨毛膜羊膜炎(じゅうもうまくようまくえん)』や『子宮頸管炎(けいかんえん)』などが起こり、卵膜(らんまく)が弱くなってしまいます。
卵膜は少しの刺激で破れやすくなり、最終的には破水(はすい)や陣痛につながるため、早産が引き起こされてしまいます。早産の70~80%はこの子宮内感染で、最も多い原因なのです。
子宮頸管無力症
子宮頸管の筋力が弱いので、出産が始まらないうちから子宮口(しきゅうこう)が開き、陣痛が始まる前に胎児(たいじ)が出てきてしまうことがあります。
これは定期検査で診断できるため、必要であれば子宮頸管を縛(しば)る手術を行い、早産を避ける処置をすることができます。
多胎妊娠
双子以上の多胎妊娠では、胎児が1人の時よりも子宮が大きくなるので、早期からお腹が張りやすく早産の確率が高くなります。多胎妊娠の約半数は早産となるため、早めに入院する場合が少なくないのです。
子宮の異常
子宮筋腫や子宮奇形(きけい)があるときは、子宮内の環境が胎児の成長を妨(さま)たげてしまうため、早産になる場合があります。
妊娠高血圧症候群・妊娠糖尿病などの合併症
妊娠による合併症が悪化すると、母子ともに危険な状態になってしまうことがあるため、母体と胎児の安全を考えて、帝王切開などで早めに人工早産させる場合もあります。
また妊娠糖尿病になると羊水過多症(ようすいかたしょう)になってしまうことがあるのです。羊水の量が異常に増えることで、内側から圧迫されてしまいお腹の張りが強くなり、子宮収縮が引き起こされ早産に繋がる場合があります。
喫煙
煙草にはニコチンやタールといった有害物質が含まれており、血管の収縮を引き起こします。そうなると胎児へ送る酸素や栄養分が十分に行き届かなくなってしまい、胎児発育不全(たいじはついくふぜん)になり人工早産させるリスクが高くなります。
妊婦さんが痩せすぎ
妊婦さんが痩せすぎているほど胎児がお腹に留(とど)まっている日数が短くなり、出生体重が小さくなる傾向があります。初診時にBMI(肥満度)が18.5未満の痩せすぎている妊婦さんは注意が必要ですよ。



太り過ぎも早産や難産の原因となりますので、こちらにも注意が必要ですよ。
早産の兆候はあるの?

- 出血
- おりものの変化
- お腹の張り
これから1つずつ見ていきましょう。
出血
最も気づきやすい兆候です。37週以降なら『おしるし』の可能性が高いのですが、37週未満の場合は早産の兆候の可能性があります。少し血が混ざったようなピンク色のおりもの、レバーのような血の塊(かたまり)、鮮血(せんけつ)で大量など様々です。
おりものの変化
正常なおりものは乳白色(にゅうはくしょく)や透明ですが、細菌に感染してしまうとおりものに変化が現れることがあります。黄色や緑色なら淋菌(りんきん)、カッテージチーズのようにポロポロしていればカンジタ菌に感染しているかもしれません。
感染してしまうと、子宮内感染を引き起こし早産に繋がることがありますので、おりものは必ずチェックして下さいね。おりものについては妊娠初期症状でおりものがピンクになることはある??原因は??でもご紹介していますので、チェックしてみて下さいね!
お腹の張り
妊娠中は生理的なお腹の張りを誰もが感じていることでしょう。夜寝ている時に「お腹が張る」と気づくことが多々あります。「いつもと違うタイミングで張る」「弱いけれどお腹の張りが続いている」という場合は病院に連絡することが先決です。
早産にならないための予防法



他にはこんな予防法もお勧めですよ!
- 疲れやストレスをためない
- お腹の張りやおりものに注意する
- 体を冷やさない
- 感染症にかからないように性交時にはコンドームを使う

まとめ
- 妊娠22週以降37週未満で生まれてしまうのが早産である。
- 早産になる確率は全体の約5%で20人に1人の割合で早産となってしまう。
- 早産の原因は細菌の感染や妊娠中の高血圧症や糖尿病などでおきる。
- また喫煙や痩せすぎなことも早産の原因となる。
- 早産の兆候は出血、おりものの変化、お腹の張り具合などに注意が必要。
- 早産の予防方法は妊娠期間を健康に過ごすことが正期産に繋がる。
今回は『妊娠後どれだけの確率で早産(そうざん)となってしまうのか? 原因や予防法をご紹介!』をご紹介しました。
早産にも細菌などの感染や喫煙や妊婦さんの痩せすぎ問題となる場合といろいろ原因があるんだ、ということが今回執筆しながら理解することが出来ました。元気な出産を迎えられるように、少しでもこの記事が参考になってくれたら幸いです。